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百合や二次創作 警報発令。デニムや二輪もあるよ。
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Harmony and Lovely
「Harmony and Lovely」
仕事をなんとか無事に終わらせて、家のドアを開けて「ただいま」という挨拶をした瞬間、もう一つの大切な今日が始まる。
スバルは職場が変わり、そして住む家も変わったときからそんなことを考えて家に帰るようになっていた。
親友のティアナと住む場所も勤務先も一緒だったころには当たり前だった、何気ないやりとりで心が暖かくなったりすることの大切さや家に帰ればお互い本物の家族のように思い合うことのありがたさをもっと大事にしていこうと思ったことがきっかけだった。
同じ屋根の下で生活している親友と一緒に晩御飯を食べる時間というのはそんな一日のうちでもかなり大切な時間だと思う。
そんな時間の話題として今日波打ち際で見つけた桜色のかけらと、それを見つけたおかげで思い出すことが出来た色々なことの話をしたらティアナはなんて言うだろうか。きっと「あんたのそういうセンチメンタルでお花畑な頭の中がほん
と、うらやましいわ。」なんてことを言って呆れた顔をしながらも、きっと心の中ではスバルが思い出した色んな大切なことを多少の差こそあれ、自分も同じように記憶の片隅から引っ張りだしてくれるに違いない。
「ティアはああ見えて結構な感動屋さんだから。」スバルはそんな風に考えながら先に仕事を終えて家に帰っているであろうティアナにこれから帰宅するよ、という通信を入れる為に胸元に揺れているデバイスのマッハキャリバーに回線の確保を依頼した。
「あ、ティア。今日はいきなり遅くなっちゃって
ごめんね。これから家に帰る。多分あと一時間く
らいでただいまって言えると思う。」
そんなスバルにティアナが返してきたのは「仕事
だったんだから謝ることじゃないわよ、無事に解決できたみたいで安心したわ。」まぁ、道草しないで早
く帰ってらっしゃいよ。というそっけない返事だった。通信を終えたスバルはいつもと変わらない親友の様子を想像して思わずにこりと微笑んだ。
訓練校時代から、スバルとずっと一緒に居てくれているティアナは言葉遣いはきついが、なんだかんだでいつもスバルのことを支えてくれていた。ティアナが居たからこそ、今のスバルがあると言っても過言ではないのだ。
頼れる相方、喧嘩友達、親友。色んな言葉でその存在を表わすことは出来るけれども、そんなティアナへの気持ちを表わす言葉は「ありがとう。」だったり「大好き。」だったり決して沢山の種類があるわけではない。
スバルがティアナに大好きと言えば「何も出ないわよ。」と言い、ありがとうと伝えれば「アンタの為じゃないわよ。」と言い、「大事だよ。」と言えばスバルに心配されるほど落ちぶれてないわよ、といったひねくれた言葉を返してくる。
ティアナなりの照れ隠しだったりするのだろうけれども、時々ちょっと素直に受け止めてくれればいいのになぁ、などと思ったりもする。
機動六課が解散してしばらく経って、住居も職場も変わって、最初に出会った頃からは随分打ち解けてきたなぁと思ったりすることはあっても、ティアナのそっけない照れ隠しを含んだ態度は変わることは無い。
とはいえ、時々ちょっと嬉しそうだったり、忘れた頃にこの前はありがとう、とかそんなことをボソリと口にしてくれたりと、あまり器用ではないやり方で応えてくれたりもする。
ふとスバルは今日、家に帰ってただいま。と言ったらそのままティアナをぎゅーと抱きしめてありがとう。と伝えようと思った。何があったわけではないけれども、ピンク色の欠片が思い出させてくれたいろんなこと。そこにはもちろんティアナとの思い出やそんなものも沢山あった。そういうのを言葉以外でもティアナにきちんと伝えたい、そう思ったのだ。
きっとティアナは真っ赤になったり、セクハラだとか言ってスバルの頬っぺたを思いっきりひっぱったりするかもしれない。
そんなことはなんとなく予想はできるけれども、スバルは今日だけは絶対ティアが呆れるくらい長くしっかり抱きしめよう。強いけれど、薄い貝殻みたいに優しくて割れてしまいそう所もあるティアをそっと、それでもぎゅっと抱きしめよう。折角思い出した大切なことを、そして本当に大事な人がすぐそこに居ることのありがたさを忘れないように、そしてその人にどれだけ自分が大切に思っているのかを伝えるために。と、そんなことを考えながら真っ青にひたすら広がる海と空をもう一度眺め、波打ち際を後にした。
仕事をなんとか無事に終わらせて、家のドアを開けて「ただいま」という挨拶をした瞬間、もう一つの大切な今日が始まる。
スバルは職場が変わり、そして住む家も変わったときからそんなことを考えて家に帰るようになっていた。
親友のティアナと住む場所も勤務先も一緒だったころには当たり前だった、何気ないやりとりで心が暖かくなったりすることの大切さや家に帰ればお互い本物の家族のように思い合うことのありがたさをもっと大事にしていこうと思ったことがきっかけだった。
同じ屋根の下で生活している親友と一緒に晩御飯を食べる時間というのはそんな一日のうちでもかなり大切な時間だと思う。
そんな時間の話題として今日波打ち際で見つけた桜色のかけらと、それを見つけたおかげで思い出すことが出来た色々なことの話をしたらティアナはなんて言うだろうか。きっと「あんたのそういうセンチメンタルでお花畑な頭の中がほん
と、うらやましいわ。」なんてことを言って呆れた顔をしながらも、きっと心の中ではスバルが思い出した色んな大切なことを多少の差こそあれ、自分も同じように記憶の片隅から引っ張りだしてくれるに違いない。
「ティアはああ見えて結構な感動屋さんだから。」スバルはそんな風に考えながら先に仕事を終えて家に帰っているであろうティアナにこれから帰宅するよ、という通信を入れる為に胸元に揺れているデバイスのマッハキャリバーに回線の確保を依頼した。
「あ、ティア。今日はいきなり遅くなっちゃって
ごめんね。これから家に帰る。多分あと一時間く
らいでただいまって言えると思う。」
そんなスバルにティアナが返してきたのは「仕事
だったんだから謝ることじゃないわよ、無事に解決できたみたいで安心したわ。」まぁ、道草しないで早
く帰ってらっしゃいよ。というそっけない返事だった。通信を終えたスバルはいつもと変わらない親友の様子を想像して思わずにこりと微笑んだ。
訓練校時代から、スバルとずっと一緒に居てくれているティアナは言葉遣いはきついが、なんだかんだでいつもスバルのことを支えてくれていた。ティアナが居たからこそ、今のスバルがあると言っても過言ではないのだ。
頼れる相方、喧嘩友達、親友。色んな言葉でその存在を表わすことは出来るけれども、そんなティアナへの気持ちを表わす言葉は「ありがとう。」だったり「大好き。」だったり決して沢山の種類があるわけではない。
スバルがティアナに大好きと言えば「何も出ないわよ。」と言い、ありがとうと伝えれば「アンタの為じゃないわよ。」と言い、「大事だよ。」と言えばスバルに心配されるほど落ちぶれてないわよ、といったひねくれた言葉を返してくる。
ティアナなりの照れ隠しだったりするのだろうけれども、時々ちょっと素直に受け止めてくれればいいのになぁ、などと思ったりもする。
機動六課が解散してしばらく経って、住居も職場も変わって、最初に出会った頃からは随分打ち解けてきたなぁと思ったりすることはあっても、ティアナのそっけない照れ隠しを含んだ態度は変わることは無い。
とはいえ、時々ちょっと嬉しそうだったり、忘れた頃にこの前はありがとう、とかそんなことをボソリと口にしてくれたりと、あまり器用ではないやり方で応えてくれたりもする。
ふとスバルは今日、家に帰ってただいま。と言ったらそのままティアナをぎゅーと抱きしめてありがとう。と伝えようと思った。何があったわけではないけれども、ピンク色の欠片が思い出させてくれたいろんなこと。そこにはもちろんティアナとの思い出やそんなものも沢山あった。そういうのを言葉以外でもティアナにきちんと伝えたい、そう思ったのだ。
きっとティアナは真っ赤になったり、セクハラだとか言ってスバルの頬っぺたを思いっきりひっぱったりするかもしれない。
そんなことはなんとなく予想はできるけれども、スバルは今日だけは絶対ティアが呆れるくらい長くしっかり抱きしめよう。強いけれど、薄い貝殻みたいに優しくて割れてしまいそう所もあるティアをそっと、それでもぎゅっと抱きしめよう。折角思い出した大切なことを、そして本当に大事な人がすぐそこに居ることのありがたさを忘れないように、そしてその人にどれだけ自分が大切に思っているのかを伝えるために。と、そんなことを考えながら真っ青にひたすら広がる海と空をもう一度眺め、波打ち際を後にした。
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