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百合や二次創作 警報発令。デニムや二輪もあるよ。

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確か…オマケ本のSSのスバティア

「執務官見習い殿」

「とりあえず、色々見てれば分かってくると思うから。」

 そう真面目な顔をして腹に力が入ってない声で言われて3ヶ月…
職場は前と変わっちゃったけど、今までどおり「フェイトそんって呼んでね。」と優しく言われたから、「フェイトさん」じゃなくてフェイトそんって呼んでいるけど未だに慣れない。
 機動六課時代から考えて1年3ヶ月。
フェイトさんを部下なりの視点で見つめてきた。さすがに仕事はきちんとこなしており、さすが執務官。といったところだと思う。しかし、しかし…彼女が私に教えたいこととは仕事以外の部分にまでかかってくることらしい…。 

「あ~ 疲れた。なんていうかツッコミを我慢するのに…疲れ切った…。」
カギを開けて家に入ってくるなりティアナはかなりゲンナリした様子でただいまも言わずに手に持っていたバッグをどさっと床に投げ出した。
 音を聞いてパタパタとスリッパを鳴らしながら迎えに出たスバルはティアナのそんな様子を見てぎょっとしながらも「おかえりティアってかなり疲れてるね。」やっぱり海の仕事ってハードなの?と言ってティアナが投げ出したバッグをひょいと持ち上げた。
 「そいや、晩御飯は?」と聞くスバルに…食べてきた、フェイトさんと。とボソボソぐったりしながら答えるティアナに「え、食べてきたって…最近毎日じゃん!」
あんまり外食ばっかりしてると太るんだからね。とスバルは言って「コーヒーでも淹れてくるよ。」とキッチンへ向かった。

ズズズ…とコーヒーなのに音を立てながら飲むティアナはやっと一心地ついたようで「やっぱり、コーヒーか紅茶がありがたいわ。」あのリンディ茶とか言うのはかなり通じゃないと分からない味よね、と数時間前に飲んできた砂糖やらがたっぷり入ったジャパニーズグリーンティーの味を思い出してすこし顔をしかめた。

 リンディさんに会ってきたんだ!いいなぁ、ティアは色んな人に会えて。と無邪気にうらやましがるスバルをティアナは…あんた、リンディ茶一回マグカップに一杯飲んでからそれ言いなさいよ、とにらみつけた。「ちょうどティーカップが切れてたから今日はマグカップで勘弁してね、沢山召し上がれ!」なんて悪意0%の笑顔で言われた日にはこちらも笑顔で飲み干すしかないのだ。
 あの親子、悪意が無いだけにタチが悪いわ…。とつぶやいた一言をスバルは聞き逃さなかった。
「てことは、フェイトさんともなにかあったの?」と聞くスバルにティアナは「あの事件の後、フェイトさんとなのはさんとヴィヴィオが家族になったじゃない?」
さいきん、なのはさんが仕事の合間とか仕事終わってからとか、仕事中に無理やりスケジュール調整(曲げたり)したりしてヴィヴィオに会いにいってたり、こっそり後ろつけて写真とったりして無限書庫の容量を多少食ったりしてるらしいのね。

 「ていうことはどういうことだと思う?」と言った。…しばらくの沈黙のあとゴクリとつばをのみこんだスバルが「つ、つまりフェイトさんとなのはさんが一緒にすごす時間が限りなく少なくなっているってこと?」と言った。
「はい、ご名答。」だからよく「ご馳走するし、一緒にご飯でも食べて帰ろうか。」たまご料理とか好き?とかいう流れになってご飯一緒に食べに行くのよ。とため息交じりに返すティアナはかなり疲れた表情だった。「しかも多分だけど、エリオ達が卵料理好きだからっていうので卵料理の店を開拓しまくったらしくてね、ここんとこ連続で卵料理ばっかりなの。」
 しかも、そんなフェイトさんが口を開けばなのはなのはなのは…っていう晩御飯…どうおもう?私、執務官の業務についてよりもあの二人の私生活について勉強してるような気がしてきたわ…。

 「ある意味、早朝訓練の後の模擬戦よりハードだね。」というスバルに。そうよー、いくら寂しいからってお冷が運ばれる前から、注文とるまでずっとため息混じりになのはなのはなのはって独り言、言ってるのよ。時々、我に返ったように「ティアナも親友はすごく大事にしないといけないんだよ。」スバルは現場に出てる子だから、ちゃんと無茶しちゃいけないよって伝えてないといけないよ、毎日怪我とかしてないかどうかティアナも心配よね?私もなのはが怪我とかしてないか本当にいっつもいっつも心配でしょうがないもの。
 
 それで始まって「ティアナも任務とか色々忙しくても親友のスバルを寂しがらせちゃいけないんだよ。」私もなのはを寂しがらせないように出張とかしてるときメールとか電話とかよくするようにしてるの。なのは優しくて強い子だから「別に平気だよ。フェイトちゃん、たった2日の出張じゃない、ちゃんと仕事に集中して。」って言ってくれるんだけど、私なのはが何してるのかとかすごい心配だから1時間おきに連絡とってみたりして…やっぱり離れてると余計気になるもの。夜もちゃんと一人で寝れてるかとか、だって私なのはがいないとちょっと寝つきが悪かったりするから…。

 とか真剣な顔して言うのよ。しかもね。「昔からよく子供が出来るとママはママになっちゃうって言うけど、あれ本当よね」なのは最近口を開けばヴィヴィオの事ばっかりで、もちろん、私だってヴィヴィオは可愛いし大好きだけど、…確かに昔からなのははフェイトちゃんフェイトちゃんって言う子じゃなかったけど、最近本当にフェイトのfの字も出なくなってね…。昔に比べて不足がちななのはとのコミュニケーションを補完しようと一生懸命すぎてちょっとやりすぎになるかなみたいなこともあって自分で反省したり、はやてちゃんにも「ちょっとフェイト執務官、職権乱用一歩手前やで。」気持ちはわかるけどシャーリーに頼んで隠し撮りはアカンよ、シャーリー面白がっとるけど、一歩間違ったら犯罪やからって言われたり。

 とか延々とサラダとスープが来て、デザートのアイスが来るまで聞かされて、合間合間にティアナはどう思う?とかティアナも執務官を目指すなら仕事以外の姿勢も私から学んでほしいのとか言われるのよ…。
 
 私、仕事以外でフェイトさんから学べるものって軽くあしらわれても喜びに変換できる発想とか、過保護すぎるくらいの愛情とか、あと、なんて言っていいか判らないけど強すぎて余りにも一直線すぎるベクトルとか、それくらいしか思い浮かばなくなってきて…。
 
 そりゃ、私だってスバルのことは親友だと思ってるけどさすがに、あれはちょっとねぇ…。というティアナにスバルは「私は一時間に一回ティアからメールが着たら嬉しいし、それだけ気にしてもらえたら大本望だよ!」とりあえず、最近晩御飯一緒に食べてなくて寂しい思いしてたからさ、今日はちょっと甘えちゃおうかなー。
 「ティアもフェイトさんから親友を大事にしなさいって言われてるんでしょ?」だから今日は一緒の布団で寝ようようよー。
 と言うスバルにティアナは「嫌よ、アンタと一緒の布団で寝たら何されるかわかったもんじゃないし。」第一アンタいっつもなにも言わずに入ってきてるじゃない、なんで毎日毎日目が覚めたらアンタが横に居るのよ。寮よりも広いからって2段ベッド辞めて2つベッド並べた意味ないじゃない。と言いながらふと頭の中で「嫌よ嫌よも好きのうち、って本当だと思うわ。いやきっと本当なのよ。」と言っていたフェイトの言葉がふっと過ぎってぎょっとなった。

 思わず真っ赤になってしまったティアナを見て「ティアー、顔真っ赤だよー。どうしたの?」と顔を覗き込んできた。「ちょ、近いのよ!スバル!」と言ってのけぞるティアナを不思議そうに見つめてスバルは「体調悪いんだったら無理しないで歯磨いてもう寝よう?」今日は冷えるから一緒の布団で寝たほうが暖かくっていいよね。とテーブルのうえを片付けて洗面所にさっさと言ってしまった。

 「…なに、もしかして一緒に寝るの決定?」
取り残されたティアナはスバルの相変わらずの強引さと嫌よ嫌よも好きのうち。というフェイトの言葉に呆然としていた。じっと動かないティアナを見て、歯磨きを終えたらしいスバルが「ティア、動けないんだったら抱っこして行こうか?」と言うものだから、「じ、自分で布団くらいまでいけるわよ、行けばいいんでしょ。」とすくっと立ち上がって歯磨きを済ませて布団に潜り込んでしまった。後で部屋に入ってきたスバルがじゃ、電気消すよー。と言って布団に潜り込んできた。

 「なによ、確かにちょっと暖かいじゃない。」そんなことを思った執務官補佐はスバルに背を向けるように寝返りを売ってそっと目を閉じた。




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プロフィール

HN:
たまじま
性別:
非公開
自己紹介:
2011年3月:二次創作を再起動しました。
アメカジ、二輪、百合を好みます。
犬も猫もハリネズミも好き。

連絡先:
rally■happy.odn.ne.jp

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