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百合や二次創作 警報発令。デニムや二輪もあるよ。

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once upon a time

「 once upon a time 」


 ティアナ・ランスターが改定されたIDカードを受け取り、自室に戻ると机に座ってどうやら書き物していたらしいルームメイトであるスバル・ナカジマが顔を上げてお帰り!ティアと声をかけた。
 
「どうしたの?こんな時期にIDの書き換えとか珍しいよね。」
資格とか免許とかの更新の時期だっけ?もしかして私すっかり忘れてたりする?ねぇ、ティア?
 ただいまを言う間もなく次々と飛び込んでくるクエスチョンマークの少しうんざりしながらティアナは答えた。
「ちょっと静かにしなさいよ、スバル。あんたが持ってる免許や資格の更新はまだ先でしょ。」私はただバイクの免許とったからそれをIDに追記してもらってただけよ。と。
 
 「ティアッ!最近オフとか訓練してないときに忙しそう何処か行ってると思ったらバイクの免許とってたんだ!」
いつの間にそんなに接近したのか、ティアナのすぐ隣でスバルはティアナが手に持っていたIDを見せて見せてと軽く引っ張った。ティアナは「はい、別に項目がひとつ増えただけで後はアンタのと変わらないでしょ。」と言いながらスバルにIDを手渡し自分の机まで歩き、よっこいしょっと椅子を引き出して腰を下ろした。
 「バイクの免許取ったのって、いきなりだけどなんで?」てっきり今度の試験の勉強してるのかと思ってたのに。とかなにやら頭に思い浮かぶだけの疑問と驚きの単語を一気にティアナにぶつけるスバルにティアナは「うっさい。私はあんたと違って任務 
中に高速移動する手段が無いから免許取っただけよ。」とため息をつきながら応えた。
そう、純粋に任務での利便性を追求する為に免許を取っただけなのだ。別にスバルがローラーブーツで疾走しているとき、どんな景色が見えているのかちょっと見てみたくなったとかそういう単純な好奇心が多少なりとも在ったわけではなく、自分の足で走るよりも作戦の幅も広がり、高速移動を経験することで状況判断の材料も増える等のメリットも考慮からである。などと一人で言い訳じみたことを考えていた。
 …そりゃぁもちろんオフの時だってバスを待ったり、接続は悪くないけど本数に制限のあるレールウェイの乗り換えを気にしなくても良かったりするけども、とティアナはまだ横でへー、やらほーやら、やたら感心しているスバルを見つめながらバイクの免許取得の理由をつらつらと頭の中で繰り返していた。

 ティアはほんとに頑張り屋さんだよね。と感心した様子で新しい資格が追記されたティアナのIDを眺めていたスバルが不意に「私もヘルメットとか買わないとだよね、ティア。」とにっこりしながら言った。
 反射的に「誰があんたを後ろに乗せるって言ったのよ。遊びで免許取った訳じゃないんだから。」と、ついキツい言い方をしてしまったティアナの目をまっすぐ見つめたスバルが続けて
「だって、私とティアって大抵一緒に自主トレしてるか街に遊びに行ってるかだから。当然乗せてくれるもんだと思ってたけど違うの?」一緒にアイス食べに行くとか本屋さんとか行くのってちょっと想像したのに。「ねーティアー!一緒にツーリングとか行こうよー。」と食い下がってきた。
おまけにティアナのIDを手に持ったままにじり寄ってくる。
「あー、もう分かったわよ。運転に慣れたらちゃんと乗せるわよ。」とティアナは面倒臭そうにスバルから目を逸らせてハイハイ、といった感じで言った。  
それを聞いたときのスバルは思わずありがとう!ティア。とはしゃぐなり、ティアナに抱きついた。

 もちろん、その次の瞬間スバルの脳天にはティアナの握りこぶしがグリグリと押さえつけられていた。
スバルは「痛いよ、ひどいよティア~。」などと涙目になりながらもそのうちバイクに乗れるのが嬉しいのかティアナにかまってもらえるのが嬉しいのか分からないが、ニコニコしながらジンジンする頭のてっぺんをさすっていた。


 最近、ティアからの現場指示がすごく変わってきたと思うんだよね。
任務にオフの日の移動手段にと、ほぼ毎日バイクを足として使うようになった頃、自室でメールを書いていたのか一心不乱に紙にペンでなにかを書きつけていたスバルがティアにふと思い出したように言ったことがあった。

「変わってきたって?どういうことよ、スバル。」ティアナは将来の試験に向けた勉強の手を少し休めて隣に座る相方の方へ椅子をクルっと回転させた。
 んーっとね、と少し考えた後で、「なんていうか一緒の景色を見てるって感じの指示でさ、ホント、前に比べて私が動きやすいっていうか。動作に余裕が 
出来る指示だって言うか…。」
なんていって良いか分からないけど、と段々言葉の終わりに近づいてくるにつれて聞き取れない感じになってしまったが、一瞬置いて「ありがとうね。ティア!」とはっきりティアナの目を見てそう言った。

 いきなりありがとうとか指示が変わったとか言われて面食らったティアナだが、
「部隊メンバーの安全確保と的確で効率的な現場指示とかなにやらってバックスの義務でしょ。」
まぁ、アンタがすこしでもやりやすくなってるんなら私としても嬉しいわ。私もスバルもまだまだ上を目指していかないといけないしね。と言って「ほら、
んたメール書きかけなんだったら早く書き終わらないと消灯時間になるわよ。」と参考書へ再び目を
落とした。

 参考書の上に書かれた文字を目で追いつつも、ティアナはさっきスバルに言われた言葉について考えていた。参考書に書かれている文字列の内容は全く頭に入ってこない。少しため息をついて栞を参考書に挿んで頬杖をついてスバルの言葉の意味をじっくり考えることにした。
 確かに、バイクに乗るようになって高速移動時に視界が急激に狭くなることや視界がどうしても下向きになりやすいこと、加速、減速やコーナリングに必要なスペースやエネルギーについて、路面状況、天候をはじめとした車輪で路面を走るということ自体のリスクについて以前に比べて格段に知識と経験が増え、スバルに対する指示もそのあたりを踏まえたものになってきているのだろう。

 ティアナは知識、経験だけではないんだろうな、とふと考えた自分に少し慌てた。

考えてみればスバルとの腐れ縁コンビも結構長く続いている訳で、それなりにいつも一生懸命で、心の中にある怖いとかそういう気持ちを押さえつけてとにかく前へ前へ急ぐスバルの安全と人を助けたいんだという気持ちを第一に考えてあげるのが私の役目なんだろうし、あの子だけじゃなくて私だって誰かが痛いとか苦しいとか、怖いとかそんな思いしてるのを黙って見ていられる訳じゃない。
 スバルの場合、多少無理してもって突撃しちゃったりするから、そんな行動が原因でスバル自身が痛い思いとか苦しい思いをしたりしたら私はスバルの相棒だからなおさらそんなの見たくないわけで、
あの子が、無茶しないようにそんなに無理しなくても任務を終えて笑顔で私と合流できるように、明日も明後日も一緒に居られるようにって本当にそれを最優先に考えてるっていうのに。
 と考えた所でティアは「なんで私がこんなにバカスバルのこと考えないといけないわけ!?」と我に返った。そして少し恥ずかしいような腹立たしいような気持ちになって参考書を乱暴に閉じた。


 「あ~でもちょっとほっとしたかなぁ。」手紙を書いて終わったのかぐっと伸びをした後、椅子を引きながらふーっというため息とともにスバルが言った。
今度は何よ?という表情のティアの目を見つめながら「だってさ、ティアってこれまで任務とかそうい 
うのにはほんっとに一生懸命だったじゃない?あ、
もちろん今も一生懸命だよ?休みの日もずっと勉
強とか訓練とかしてきたし。」だから何よ、というティアナの視線を受けて少しウッと身を引いたスバルだったが続けて「そんなティアがね、バイクをち
ゃんとオフの日も乗ってるっていうのがなんか嬉しくて。あ、もちろん便利だからっていうのは分かるんだけど。」 なんていうか余裕じゃないけどちゃんとペースは作ってるっていうかなんていうか…とまたしても言葉が尻すぼみになってしまい
「んー…」と頭の中で言葉を組み立てようとしていたスバルはしばらくしてうまく言い表すことを諦めたように「ま、とにかくほっとしたんだ。」と勝手に話を終わらせてしまった。
 
 ティアナは、「何が言いたいのか全然分からないわよ、第一なんであたしがアンタに任務外のところで
心配して貰わないといけない訳?」私、ヘマしてバイクでこけたりなんかしないわよ。と言っていきなり話を始めたと思ったら結局尻すぼみに終わらせたスバルに言った。

 訳分からないわよ、と言うティアナを見つめていたスバルはしばらく考えた後、
「えっとね転倒するとか、そういうのじゃなくてメンタル的な意味で安心した。っていうか…」
…うん、それだね。ティアって真面目が銃持って歩いてるみたいなところあるから、だからちゃんと息抜きしてるか時々すごい心配になるんだよね。いつも気を張ってるとすごく疲れるでしょ?ほら、私なんかシューテイングアーツで体動かしたり、ギン姉とアイス食べたりとかそういうので発散してるとこあると思うんだけど、ティアって私と遊びに行く以外あんまりそういうことしてるっぽく無かったから。」だから、ちゃんとそういう手段ていうか趣味じゃないけど…んー、勉強と任務以外のこと見つかってよかったぁと思って。それでちょっとほっとしたんだ。
 途中でちょっと考えながらも一気にまっすぐティアナの目を見つめて言った。
「アンタに余暇の過ごし方とか気分転換とか心配されるような筋合いは無いわよ。」とそっぽを向いて
腕を組んだティアナだったが「別に、特別なことし
なくてもアンタと一緒に話したりご飯食べてれば
楽しいし、それだけで結構満足してたりもするか
ら…。」とちらりとスバルの方に目をやりながら最後にありがとう。とボソボソと口にした。少しだけ赤くなっていたように見えたのはきっとスバルの気のせいだろう。

 そんなティアナを見たスバルはにっこり微笑みながらひとつ思い出したように言った。
「あ、そうだ!、ティア!そろそろ私後ろに乗っけてくれても良いんじゃないかな?免許取ったときに
バイクに慣れたらちゃんと乗せるわよって言ってたよね?」実は前からヘルメットちゃんと準備し
てたんだよね~とティアの持っているタイプと同じヘルメットを机の下から引っ張り出してきた。本当にいつの間に準備してたのやら、と半ばあっけにとられるティアナを置いてけぼりにしてスバルは「じ
ゃーん!ちなみにティアのと色違い!」全く同じだとさ、どっちがどっちか分からないし、ティアが恥ずかしがるもんね。などと勝手なことを言っている。
 
 すぅーっと息を大きく吸い込んで深呼吸したティアナは一度大きなタメを作って「ほんっとに訓練校
の頃から言ってるけど…。」と口にした。次の瞬間、
『あんたのそういう強引さは多少なりとも見習うべきところだわ』っでしょ?ティア!」
ティアナの口癖を見事に真似をしたスバルがティアナの言葉をかき消した。
一瞬スバルとティアナの間に沈黙が降りた。

 「うっさいスバル!アンタはもう!ちょっと甘いとこ見せたらすぐ調子に乗って!」そう言ってちょっと、いやむしろかなり痛いくらいの勢いでティアナはの柔らかい頬を引っ張った。
 「いたいいたい!ごめーんて…ゆるしてよーティアー」と言いつつもなぜか嬉しそうなスバルを見ていると腹を立てているのもバカらしいと思えてしまったティアナは「全く…。」とため息を一つついて、「そうねぇ…もうそろそろ春本番って感じだから少し遠出もいいかもね。」そう言ってミッドの地図データをデスクトップに呼び出した。
 スバルはまだジンジンする頬を撫でながら椅子をティアナの机まで引っ張って、腰をかけた。
「私、山行きたいな!山!!海はちょっとまだ寒い
し、せっかく海二人で行くんならもうちょっと暑
くなってからの方が楽しいしね!」そうなると、ティアも水着買わないといけなくなるね。夏が近づいたら二人で一緒に水着見に行こうね!と本当に嬉しそうに話すスバルに「ちょっとなに一人で話し進
めてるのよっ!」第一アンタだって水着もってないじゃないのよ。と突っ込みを入れるティアナだった。
結局そんなやりとりを繰り返しながら消灯時間までスケジューラーとマップを覗き込みながらの二人だけの作戦会議はにぎやかに続いていった。

 
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HN:
たまじま
性別:
非公開
自己紹介:
2011年3月:二次創作を再起動しました。
アメカジ、二輪、百合を好みます。
犬も猫もハリネズミも好き。

連絡先:
rally■happy.odn.ne.jp

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